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世界の名門大学「オックスフォード大学」【傾向編】
■時にスキャンダルも。宗教と科学の最先端
名声ばかりではありません。長い歴史の中で、オックスフォード大学やその学者は時に数々のスキャンダルや議論も起こしてきました。1533年、(トリニティ・カレッジを設立した)ヘンリー8世はアラゴンのキャサリンと離婚をします。これは後の宗教改革にもつながった、当時の一大スキャンダルでした。
また17世紀後半には、著名な哲学者で偶然にも当時オックスフォードの学者であったジョン・ロックも国家反逆の罪に問われて国を追われています。当時は、様々な宗教的な議論が交わされており、オックスフォードも宗教運動に巻き込まれていたのです。1833年から1845年に起こったイギリス国教会内の刷新運動「オックスフォード運動」の際には、大学に関わっていた英国国教会のメンバーが古いキリスト教の伝統の復権を訴えて、アングロカトリック主義を発展させていきます。さらに、ダーウィンの「種の起源」が出版された翌年に、「1860年オックスフォード進化論争」があり、著名な科学者や哲学者がオックスフォードでダーウィンの進化論について議論しました。宗教と科学に関しての最先端の地が、このオックスフォード大学だったわけです。
オックスフォード大学のモットーは、ラテン語で"Dominus illuminatio mea"です。これは「主は我が光」という意味で、旧約聖書の詩篇第23篇の最初の文章です。この詩篇は神の偉大さに対する信仰と信念に関するもので、ユダヤ教とキリスト教において祈りの言葉として唱えられています。宗教がオックスフォードの中心となりはじめた16世紀あたりからこの言葉がモットーになりました。大学の総長でありカンタベリー大主教でもあったウィリアム・ロードは、1637年、数々の大学の規律を作りました。例えば、大学で学士を取得するには、英国国教会のメンバーであることが必須条件であるというようなものまでありました(この規律は1866年頃まで有効とされていました)。